区分所有者Aが、その専有部分をBに賃貸し、Bから敷金を受け取った。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 1Bは、賃貸借が終了したときは、通常の使用及び収益によって生じた損耗や経年変化についても、原状に復する義務を負う。
- 2Aの敷金返還債務は賃貸借の終了時に発生し、Bの専有部分の明渡しとAの敷金返還は同時履行の関係に立つ。
- 3Bが賃料を支払わないとき、Aは敷金をその弁済に充てることができるが、BからAに対して敷金を未払賃料の弁済に充てるよう請求することはできない。
- 4Aが専有部分をCに譲渡して賃貸人たる地位がCに移転しても、敷金返還債務はCに承継されず、Aが引き続き負う。
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正解:3
賃借人が債務を履行しないとき、賃貸人は敷金をその弁済に充てられますが、賃借人の側から充当を請求することはできません。通常損耗や経年変化は原状回復義務の対象外です。敷金返還債務は賃貸借が終了し、かつ目的物が返還された時に発生するため、明渡しが先履行となり、同時履行の関係には立ちません。賃貸人たる地位が移転すると、敷金返還債務も新賃貸人に承継されます。「充当は賃貸人からだけ、明渡しが先」と覚えておきましょう。
根拠:民法605条の2、621条、622条の2