株式会社の取締役Aが、友人の利益を図る目的で、回収の見込みがないことを知りながら、十分な担保を取らずに会社の資金を当該友人に貸し付け、会社に財産上の損害を与えた。この場合にAに成立し得る犯罪として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1窃盗罪
- 2詐欺罪
- 3業務上横領罪
- 4会社法上の特別背任罪
正解と解説を見る
正解:4
取締役などが自己もしくは第三者の利益を図り、または会社に損害を加える目的で任務に背く行為をし、会社に財産上の損害を与えた場合には、会社法上の特別背任罪が成立し得ます。いわゆる不正融資(不良貸付)はその典型例であり、刑法上の背任罪より重く処罰されます。業務上横領罪は、業務上自己が占有する他人の物を不法に領得する場合に成立するもので、任務違背による損害の発生を本質とする背任とは異なります。窃盗罪や詐欺罪は、他人の占有の侵害や人を欺く行為が要件であり、本件には当てはまりません。取締役の任務違背による損害は「特別背任罪」と押さえておきましょう。
根拠:会社法960条、刑法247条、253条