賃借人の債務不履行による建物賃貸借の解除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1「賃料を1か月でも滞納したときは、催告せずに直ちに解除できる」との特約は、どのような事情があっても文言どおりの効力を有する。
- 2賃料の不払いがあっても、賃貸人と賃借人の信頼関係を破壊すると認めるに足りない特段の事情があるときは、賃貸人の解除は認められない。
- 3賃貸借契約が解除されると、その効力は契約締結時にさかのぼり、賃貸人は受け取った賃料を返還しなければならない。
- 4賃借人が複数いる場合、賃貸人は、そのうちの1人に解除の意思表示をすれば、全員との関係で契約を解除できる。
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正解:2
判例は、賃料不払いがあっても信頼関係を破壊するに至らない特段の事情がある場合には、解除を認めません(信頼関係破壊の法理)。無催告解除特約も、催告しなくても不合理とは認められない事情がある場合に限って有効とされます(肢1)。賃貸借の解除は将来に向かってのみ効力を生じ(民法620条)、当事者が複数いるときは全員に対して解除しなければなりません(544条1項)。賃貸借の解除は信頼関係の破壊が基準で、効果は将来に向かってのみ生じると覚えましょう。
根拠:民法541条・544条・620条、判例(最判昭39.7.28、最判昭43.11.21)