建物賃貸借終了時の原状回復に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1民法上、賃借人は、賃借物の通常の使用収益によって生じた損耗や経年変化についても原状回復義務を負う。
- 2通常損耗の補修費用を賃借人に負担させる特約が成立するには、負担する通常損耗の範囲が契約書に具体的に明記されているなど、その旨が明確に合意されていることが必要である。
- 3地震で賃借物が損傷した場合のように、賃借人の責めに帰することができない事由による損傷についても、賃借人は原状回復義務を負う。
- 4「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、賃借人の故意・過失による損耗であれば、経過年数にかかわらず、賃借人は補修費用として新品価格の全額を負担するものとされている。
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正解:2
判例は、通常損耗の補修を賃借人負担とする特約について、範囲が契約書に具体的に明記されているか、口頭での説明により賃借人が明確に認識して合意したことが必要だとしています。民法は通常損耗と経年変化を原状回復義務の対象から除いているので、選択肢1は誤りです。賃借人の責めに帰することができない損傷も対象外なので、選択肢3も誤りです。ガイドラインは、賃借人に責任がある損耗でも経過年数を考慮して負担割合を減らすとしているため、選択肢4も誤りです。押さえておきたいのは、通常損耗は原則として賃貸人の負担であり、特約で賃借人に移すには明確な合意が必要だという点です。
根拠:民法621条、最判平成17年12月16日、原状回復をめぐるトラブルとガイドライン