居住用建物の賃貸借契約の特約の効力に関する次の記述のうち、判例および借地借家法によれば最も適切なものはどれか。
- 1契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額や更新期間などに照らして高額に過ぎるといった特段の事情がない限り、消費者契約法10条により無効とはならない。
- 2居住用建物の賃貸借で、敷金から一定額を返還しないとする敷引特約は、その額にかかわらず消費者契約法10条により無効となる。
- 3契約書に「退去時の原状回復費用は賃借人の負担とする」とだけ書いてあれば、賃借人が通常損耗の補修費用を負担する特約が成立したことになる。
- 4普通建物賃貸借で「一定期間、賃料を増額しない」とする特約は、賃借人に有利であっても借地借家法に反し無効である。
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正解:1
判例(最判平成23年7月15日)は、明確に記載された更新料条項について、高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り消費者契約法10条で無効にはならないとしています。敷引特約も、高額に過ぎる場合を除き有効とされます(最判平成23年3月24日)。通常損耗を賃借人に負担させるには、負担する範囲が契約書に具体的に明記されているなど、明確な合意が必要です(最判平成17年12月16日)。一定期間増額しない特約は、借地借家法32条1項ただし書により有効です。押さえどころは「更新料・敷引は原則有効、通常損耗の負担特約には具体的で明確な合意が必要」という点です。
根拠:消費者契約法10条、最判平成23年7月15日、最判平成23年3月24日、最判平成17年12月16日、借地借家法32条1項