哲学者ジョン・サールは、「適切なプログラムを実行するコンピュータは、人間と同じように心を持ち、ものごとを理解している」とする強いAIの考え方を批判するため、「中国語の部屋」という思考実験を提示した。この思考実験が示そうとした主張として、最も適切なものはどれか。
- 1外部から見て人間と区別できない応答を返せる機械は、知能を持っているとみなしてよい
- 2規則に従って記号を操作し適切な応答を返せたとしても、そのことだけで意味を理解しているとはいえない
- 3AIは、現実世界で起こりうる無数の事柄の中から、タスクに関係のある情報だけを選び出すことが難しい
- 4翻訳を行うAIの精度は、学習に用いる対訳データの量を増やすほど際限なく向上し続ける
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正解:2
「中国語の部屋」は、中国語を理解しない人がマニュアルに従って記号を操作するだけで、外からは中国語を理解しているように見える応答を返せるという状況を想定した思考実験です。サールはこれによって、記号操作ができることと意味を理解していることは別だと主張し、強いAIを批判しました。「区別できなければ知能を持つとみなす」という考えはチューリングテストの立場で、サールが批判した側に近いものです。タスクに関係のある情報を選び出す難しさはフレーム問題です。覚えておきたいのは、中国語の部屋は「記号操作ができても理解しているとは限らない」ことを示した思考実験だという点です。
根拠:ジョン・サール「中国語の部屋」(1980年の論文「Minds, Brains, and Programs」)