金水敏が提唱した「役割語」について述べたものとして最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。
- 1実際の高齢者や地域住民の発話を調査して記述された、世代や地域に固有の言語変種のことである。
- 2ある職業集団の内部でだけ通じる専門語や隠語のことで、部外者を排除する働きをもつ。
- 3特定の話し方を聞くと、年齢・性別・職業・階層などの特定の人物像が思い浮かぶような、言葉遣いの型のことである。
- 4職場での役職や立場に応じて使い分けることが規範として定められた、敬語の体系のことである。
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正解:3
役割語は、「わしは知っておるのじゃ」と聞けば老博士を、「~ですわ」と聞けばお嬢様を思い浮かべるように、言葉遣いと人物像のステレオタイプとの結び付きを指す概念です。主に小説・漫画・アニメなどのフィクションで使われ、現実の話者が実際にそう話しているとは限りません。そのため、実際の発話を調査して記述した世代差や地域変種(1)とは違います。職業集団内部の隠語(2)はジャーゴンの説明で、立場に応じた敬語の規範(4)も役割語ではありません。役割語は、現実の使用ではなく人物像のステレオタイプと結び付いた「話し方の型」だと覚えておきましょう。
根拠:金水敏『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(岩波書店、2003年)