ロボット工学者ハンス・モラベックらが指摘した「モラベックのパラドックス」の説明として、最も適切なものはどれか。
- 1チェスをしたり知能テストを解いたりするような高度な推論は、コンピュータにとって比較的容易である。一方、1歳児程度の知覚や運動の能力を実現するには、膨大な計算資源が必要となる。
- 2コンピュータは記号同士の関係を操作できても、記号を実世界の対象や感覚と結び付けることはできない。そのため、記号の意味を理解しているとはいえない。
- 3有限の情報処理能力しか持たないシステムでは、ある課題を行うときに、起こりうる無数の事柄の中から関係のあるものだけを選び出すことが難しい。
- 4ある技術が実現されて仕組みが知られると、それは単なる計算処理だとみなされ、知能とは呼ばれなくなる。そのため、人工知能の到達点は常に先送りされる。
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正解:1
モラベックのパラドックスは、人間にとって難しい高度な推論はコンピュータには比較的容易です。逆に、人間が無意識に行う知覚や運動はコンピュータにとって非常に難しい、という逆説を指します。選択肢2はシンボルグラウンディング問題、選択肢3はフレーム問題、選択肢4はAI効果の説明であり、いずれもAIの難しさに関わる別の概念です。「人間にとって簡単なことほど機械には難しい」というのがモラベックのパラドックスだと押さえておきましょう。
根拠:モラベックのパラドックス(Hans Moravec, 1988『Mind Children』ほか)